損保協会が加盟26社の14年9月中間期決算概況を発表
損保協会は12月16日、協会加盟会社26社の2014年9月中間期決算概況を発表した。それによると経営利益は、保険引受収益の増益と高水準の資産運用粗利益によって大幅に増益し、中間純利益も前年同期から38.7%増益となった。これは、同協会が中間決算の発表を始めた2005年以降、最高水準となる。
正味収入保険料は、自動車保険や火災保険をはじめ主要な保険種目全般で増収し、対前年同期比4.8%(1,861億円)増収の4兆443億円となった。正味支払保険金は、雪害に対する支払が増加。全種目計では同3.7%(814億円)増加の2兆3098億円となったが、正味支払保険金の増加を超える正味収入保険料の増収で、損害率は前年同期に比べて0.8ポイントダウンの62.4%となった。
保険引受に係る一般管理費は、同1.9%増の5,836億円。諸手数料および集金費は、保険料の増収や消費税率の引き上げなどを要因に同6.4%増の7,165億円となった。事業費率は、保険引受に係る営業費及び一般管理費、諸手数料及び集金費とも増加したものの、正味収入保険料の増収により同0.2ポイントダウンの32.1%だった。
【保険引受収益】正味支払保険金をはじめとする保険引受費用が同2.8%(1,033億円)増加したが、正味収入保険料の増収に加え、2月の雪害での保険金支払いに伴う異常危険準備金の取崩益もあり、同1,066億円の増益となった。
【資産運用収益】有価証券売却益の減少などで同303億円減益の2,992億円。一方資産運用費用は、国内株式市況が引き続き堅調だったため、株式などの有価証券評価損などの減少により、同175億円減少して、283億円となった。この結果、資産運用粗利益は同4.5%減益の2,709億円。
総資産は、株価の上昇による株式の評価増や、円安による外国証券の評価増などもあり、前年度末比6,046億円増加の29兆5,344億円。ソルベンシー・マージン比率は、協会加盟会社全社とも法律で求められている水準を超えており、経営の健全性について問題のない水準となっている。