日本地震再保険が「自然災害カンファレンス2014」に参加
日本地震再保険は10月16日、台湾の台北で開催された台湾住宅地震保険基金(以下、TREIF)の自然災害カンファレンス2014に出席し、馬場忠常務が日本の地震再保険制度の仕組みについて講演した。TREIFの制度は日本の地震保険制度を参考にしたもので、両団体は長年にわたり交流を深めてきた。馬場氏は「台湾も1999年に集集(チチ)地震を経験している。被災国として制度の工場に対する意欲を感じた」と参加の感想を話した。当日は各国の地震保険関係者のほか、監督官庁や保険会社社員、学生など、約180人が参加した。
カンファレンスは二部構成で、第一部では馬場常務をはじめ、ニュージーランドのEQCのゼネラルマネージャーであるヒュー・コーウェン氏と米国のカリフォルニア地震保険機構のゼネラルカウンシルであるダニー・マーシャル氏がそれぞれ制度の内容や課題を報告した。
第二部では中国の保険行業協会のハオ・ホー氏が中国の地震保険制度の発展について紹介した他、自然災害リスクに対する考え方やモデリングの有効性と課題などについて解説した。
馬場氏はその後に行われたパネルディスカッションにも参加し、地震保険の現状や制度の成り立ちを解説した。
また、同社では首都直下地震発生時でも高い精度で事業が継続できるよう、地震による同時被災の可能性が低い沖縄のデータセンターにバックアップシステムを設置し、通信回線によって東京・沖縄間のデータ同期を行う仕組みを構築するとともに本社事務所の被災を想定し、自宅などからデータセンターのシステムを直接アクセスできるリモートアクセスやグループウェアを導入していると説明した。その徹底ぶりに参加者からは驚きの声が寄せられた。
カンファレンスの翌日には、集集地震の被災地を見学。被災した小学校を利用した国営の地震博物館を訪れ、「台湾全土の小中学生がこの博物館を訪れると聞き、国として地震の体験を後世に残す取り組みの重要性を感じた。日本にも見習うべき点があると思う」と振り返った。