S&Pが消費増税延期の影響テーマに英文リポートを発表

2014年12月03日

スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は11月26日、英文リポート「Abenomics Course Correction Improve Reflation Prospects」を発表した。このリポートでは、日本銀行による追加金融緩和、2015年10月に予定されていた消費税再増税の18ヶ月間の延期、衆議院の解散、総選挙の3つの政策上、政治上の出来事が相次いだことで、日本が再び脚光を浴びているとしている。リフレ見通しなどに言及しながら、矢継ぎ早の政策や政治判断が「アベノミクス」へ与える影響に焦点を当てている。

ユーロ圏のソブリン債務危機、特にギリシャ危機を受けて、日本の政治家や政策担当者の間で、国内の財政再建が喫緊の課題との認識が急速に強まり、その結果として消費税率を14年4月1日と15年10月1日に二段階で引き上げることを定めた消費税増税関連法案が12年8月に成立した。

これは日本の政策上の分岐点であり、長い間続いた議論の末に成立した消費税増税関連法の目的は、高齢化による社会保障関連費用の増大が続く中、より確かな財政基盤を築くことだったと同リポートでは指摘している。